気功や太極拳の世界で有名な「スワイショウ」という簡単な腕振り体操があります。
このスワイショウという体操は、正しいやり方を知れば体をゆるめ、リラックスできるだけでなく、様々な健康面・精神面の効果も期待できます。
自宅で簡単に、スキマ時間にやるだけでリラックスしたり、健康にも精神的にもメリットの多いスワイショウの正しいやり方をご紹介していきます!
【この記事で分かる事】
- スワイショウとはどのうような体操か?
- スワイショウの効果や自宅でもできる正しいやり方
- スワイショウで得られるその他のメリット
スワイショウとは?どのような体操なのか?

まず、「スワイショウ」とは、中国から伝わってきた、太極拳や気功の準備運動などでよく行われる体操です。
簡単にできる、「腕を振る体操」で、腕を前後に振ったり、体を捻り腕を体に巻き付けるやり方などがあります。
正しいやり方でスワイショウを行うと、徐々に体がゆるみ、リラックス効果を得られます。
東洋医学では、気・血・水の3つが重要と言われており、特に『気』は生命活動を維持するために必要な要素です。
気は体のゆるんだ所をめぐるので、体をゆるめる事で気の滞りをなくすことができます。
気が流れると、血もながれ、免疫力の向上や自己治癒力の向上につながり、健康的な身体になっていきます。
★気功や気についてもっと詳しく知りたい方は、【気功は怪しい?気功治療だけでなく「自分を癒す力」もありますよ!】も合わせてご覧ください。
また、今までのブログでは、腹式呼吸でのリラックス方法やストレッチポールを使用したリラックス方法についてご紹介しました。
今回ご紹介するスワイショウは、実際に体を動かして、体をゆるめる方法です!
「スワイショウ」は気功や太極拳で大切な、体をゆるませ・リラックスできる準備運動!
このような簡単なスワイショウですが、スワイショウを正しいやり方で行うとどのような効果が得られるのでしょうか?少しご紹介しますね。
スワイショウの期待される効果
スワイショウは簡単な腕振り体操ですが、スワイショウを正しいやり方行うことで身体的にも精神的にもすばらしい効果が期待できます。
スワイショウの期待される身体的な効果
●全身の血行が良くなる
●肩凝り・腰痛の軽減や背骨の調整
●内臓を刺激するため、消化不良や便秘の解消
●ウエストをひねる事でダイエット効果も期待できる
スワイショウの期待される精神面への効果
●単純な反復運動のため、リラックスしランナーズハイや瞑想状態になれる
●ひらめきが得られる
●心もゆるみ、ストレスなどマイナス感情が消えていく
身体的・精神的メリットがあることに加えて、とても手軽で簡単にできることも最大のメリットですね。
普段の運動習慣がない人でも、自宅内でちょっとした合間にできるので、ハードルが低いのではないでしょうか?
さらにこのスワイショウは、体をゆるめるだけではなく、重心を下げる効果もあります。
重心を下げる事にどんなメリットがあるのか、後述にてご紹介しますね。
「スワイショウ」は、正しいやり方で行うと身体的・精神的なメリットと、さらに重心を下げる効果がある!
では、次にスワイショウの正しいやり方をご紹介しますね。
スワイショウのやり方
スワイショウは正しいやり方で行うと色々な効果が期待できました。
そんなスワイショウには、腕を前後に振るタイプや体をねじり腕を体に巻き付けるタイプなど様々なやり方があります。
また、流派や指導者によって、姿勢や方法に違いがあるようですが、ここでは私が実際行っているスワイショウのやり方を記載させていただきます。
スワイショウの基本の立ち姿勢

① 両足を肩幅に開いて、つま先は前向きにして自然に立つ。
② 膝を少し曲げ腰を下ろす。
この時、膝とつま先の向きを合わせ、曲げた膝がつま先より出ないように気をつけて下さい。
また、腰は反らさないように、お尻を後ろへ出さず、前に引き込むようになります。
(骨盤を立てた状態)
③ 首の力を抜き、頭(頭頂部)をすっと引き上げるようにして顎を引く。
④ 肩の力を抜いて両手を自然に垂らす。
体を捻り、腕を体に巻き付けるスワイショウのやり方

⑤ 股関節・腰から回すように上半身を捻る。
(膝が内側に入らないように注意する)
⑥ 股関節―腰椎―肋骨―肩甲骨の順に回転するように、両手を左右へ自然にぶらん、ぶらんと振る。
肩や腕などの上半身の力を抜いて、おもちゃのデンデン太鼓のように自然に両腕を体に巻き付けるように体を左右に回していきます。
また、頭の頂点から背骨~尾骨を結ぶ線を中心軸にして、一本の棒が回転しているようなイメージで行っていきます。
⑦ 終わる時は、急に止めず、ゆっくりと回転を緩めていき、腕もゆっくりと下ろしていく。
⑧スワイショウを正しく行うと、体の力が抜ける感覚、手先がびりびりする感覚、軽く・動かしやすい感覚が出てくる。
正しい姿勢を保つことは大切ですが、姿勢に意識が向きすぎて逆に力が入ってしまったり、集中できないと本末転倒です!
スワイショウの目的は体をゆるめ、リラックスすることなので、自分のやりやすい方法で行うことも大事です。
スワイショウが初めての場合は、動作に慣れるまで練習が必要ですが、それでもなかなか力が抜けない、という方は別の方法のスワイショウを行ってみて下さいね。
(動画などを見る方が分かりやすいと思います)
時間や回数も、初めは無理のない範囲で5~10分など実施して様子を見て下さい。
体や心がゆるまるようになるには、人によって時間が様々です。自分に合ったやり方を見付けてみて下さい!
頭からお尻までを一本の軸として、デンデン太鼓のようなイメージで腕を身体に自然に巻き付ける。
では、このスワイショウを正しいやり方で行った時に起こる、リラックスした状態がどんな感じになるかご説明していきますね。
スワイショウで全身の筋肉がリラックスすると重心が下がる
スワイショウを正しいやり方で行っていくと、丹田(タンデン:おへその下辺り)に力が入り、重心が下がってきます。
重心が下がると、深い呼吸が起こります。
(重心の位置が低いと、息を吸う時に、横隔膜が下がりやすくなり、肺に流れ込む空気の量が多くなると考えられています)
また、武道などでは、重心の位置を下げる事で、数人に力いっぱい押されてもびくともしない、という場面も見られます。
重心を下げるメリットのとして、『上虚下実』(じょうきょかじつ)という状態になることができます。

上虚下実とは:上半身は余分な力が抜けた状態で、下半身は力が充実している状態であり、人間の本来の力を発揮できる理想的な状態であるとされています。
人間の骨格上、腰に重心があると、動くときに軸がぶれにくくなり、余分なエネルギーを使わなくて済むため疲れにくくなります。
また、腰がしっかりすることで姿勢が良くなり、視野も広がります。
しかし、現代人の多くは、逆の状態が多いです。
パソコンやスマホなど頭や目を使う事が多かったり、手先を使う事も多く、上半身に過剰に力が入り、血や気が上ってしまい、首凝りや肩凝りも慢性的です。
意識して上虚下実の状態になるのは、「重心が下がってどっしりとした状態」を体感したことがない現代人には難しいと思われます。
気功や太極拳、ヨガなどを習うと体感でき、そして、実生活でも活用できます。
しかし、そこまでの習い事が面倒くさいと思われる方は、ぜひ「スワイショウ」をやってみて下さいね!
意識を集中させても重心は下がる
ちなみに、重心を下げる方法には、スワイショウでリラックスする方法の他に、意識を向けて集中させるという方法もあります。
気功では、意識を向けた所に気が流れるため、おへその下の丹田に意識を向ける練習をします。
この丹田(下丹田)に意識を向ける事で、重心を下げ、さらに呼吸を深める事ができるとされています。
体の中の部位を「意識する」、という事も日頃の生活で取り入れていただければと思います。
スワイショウの正しいやり方は?リラックスできるやり方を解説!のまとめ
スワイショウは手軽で体をゆるめ、リラックスできる方法の一つで、その他にも身体的・精神的にも良い効果があります。
スワイショウは正しい姿勢が重要で、正しいやり方を行えば体の重心も下がり、しっかりとした状態を体感することもできます。
ただ、初心者には正しいやり方は難しいと思いますが、リラックスするためのスワイショウは手軽にできますよ!
まずは、「スワイショウという体操があり、一般の方にでも健康面や精神面での様々なメリットがある」という事を知っていただけると良いかなと思います。
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